ひとりひとりの2020に出会う。

2020年という、日本にとって特別な1年に向けて
スポーツを通じた絆を、
競技を支える人たちのドラマを、
世界に誇る日本の文化や芸術を、
誰もが参加できる社会貢献のあり方を、
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ここでの出会いと発見を、
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東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで

2018.03.16

[山口県]選手一人ひとりの主体性がチームを強くする

山口県周南市の徳山大学女子サッカー部は、2017年に創部10周年を迎えた。現在、全国大会の常連として出場する女子サッカーの強豪チームだ。

「1年目は2名しか部員がいなくて、そのあとも十数名くらいで活動してました。現在(2017年)は39名で、来年度はそれを遥かに上回る人数になる予定です」。そう語るのは、チームを率いる田中龍哉監督。徳大女子サッカー部の強さの背景には、田中監督と選手たちが築き上げてきたチーム環境がある。

「高校時代が厳しい環境だったんで、きついなって思う気持ちが大きかったですけど、ここの環境だったらサッカーがきついとか思わなくて」。そう話してくれたのは、4年生のキャプテン・芥川奈美江さん。「全員でこうやって盛り上げながらやってるチームってあまりないと思うんですけど。今まで以上にうまくなりたいという気持ちがここに来て大きくなったのは一番あります。勝って、みんなともっとサッカーやりたいから、うまくもなりたいし、勝ちたい」

4年生の副キャプテン・松宮れみさんも、このチームが「自分が求めているサッカーができるっていう最高の場所」だと語る。入学してシーズンが始まる時に大きい怪我をした松宮さん。引きこもり、このチームを嫌いになった時期があったという。しかし、松宮さんは、「練習できないけど、来たときに何も変わらない環境で、『れみ、かんばろうや』みたいな雰囲気で迎えてくれて。ここでサッカーしたい、辞めたくない(と思った)」と、当時をふりかえる。

大学3年でユニバーシアードの大会に出場した龍沙也加さんは、このチームの人間関係を次のように話す。「(徳大女子サッカー部は)上下関係がないので、こうしてほしいとか先輩とかにも言いやすいし、後輩も(先輩に)言いやすい」。最初は本当に敬語を使わなくていいのか不安だったという。しかし、敬語を使わないことで親近感がわいた。「自分がどういうプレーをしたいか言うことで、周りも理解してくれるので、自分がしやすいプレーができます」(龍さん)

そうした環境がチームの一体感を醸成した。喧嘩もする。ぶつかることも当たり前にある。「それでも誰一人嫌いになれない。それはこのチームのメンバーだからこそよかったって思うことだし。徳山大学に集まってくる人たちとか、田中さんの指導とか含めて、ここでよかったなと一番思います」(芥川さん)

「サッカーは上下関係があまり必要のないスポーツ」というのが、田中監督の持論。「みんなでこれやれとか、これに従ってやりなさいっていうことはやめようと思いまして。主体性を持たせて自分たちが、このメンバーで今日のゲームを勝ちたいと思って、じゃあこうしようっていうアクションを起こしてもらえれば」(田中監督)

そんなチームのモットーは、「ハードワーク」と「リスペクト」。「個人個人でサッカーをするんじゃなくて、試合をしている11人全員が攻撃したり守備したり、全員で"ハードワーク"すること。そのときに相手をしっかり分析して、その相手にあわせて自分たちで判断してサッカーを変えるっていう"リスペクト"をしっかり全員が思ってやっている」(芥川さん)

リスペクトの対象は、相手に限らない。芥川さんは、「グラウンドがあることとか、試合だったら審判もいる。だからこそ自分たちが試合をできているという感謝の気持ち。そういう気持ちを忘れないという意味もあってのリスペクト」と話す。

リスペクトは、チーム内にもある。それが、さまざまな「係」による役割分担。「この人はこれをやってるから、自分はこれをやろうっていうのがリスペクトだと思うし、それができてるから今の徳大があるし、こういう雰囲気でサッカーもできてる」(松宮さん)

たとえば、1年生のミーティング係、磯田尭那さんは、その日にあったことや、試合前にどういう風に戦うのかの話し合いを担当している。3年生の中村雅さんは、レクリエーション係として、毎日チームのみんなを楽しませている。

こうした係についても選手が主体的に行っている。田中監督は、「予期せぬことが起きたときに臨機応変に対応できるとか、そこに対して主体的にみんなで解決していく能力を養ってもらいたい」と話す。

「このやり方で、試合に勝てたらすごくいいと思います。負けたとしても納得がいく負け方ですし。こうしておけばよかったということはあると思うんですが、でもその徳大らしさっていうのを常に持って、勝負に挑むことに価値があると、ぼくは思っています」

「もうめちゃくちゃ楽しいです!」と、松宮さんは笑顔を見せる。「一番いまが楽しいと思えるし、サッカーに対しても一番向き合えてるし、全部プラスになってると思う。すべて含めて、本当にここにきて楽しいです」

選手一人ひとりが主体的に取り組む、リスペクトとハードワークで、徳山大学女子サッカー部はさらに高みを目指す。

▼インタビュー映像:
山口県徳山大学女子サッカー部の監督と選手たちが、自分たちのチームらしさとその魅力、今の充足感を語る。

▼ビューティフルジャパン 山口×サッカー
https://panasonic.jp/bj2020/yamaguchi/

ビューティフルジャパン公開日:2018年01月31日


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