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東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで

2018.10.31

「身近にスポーツができる環境を」都が大学・企業等と連携しスポーツ施設不足を解消へ

首都大学東京・荒川キャンパスの体育館を利用する地元のジュニアバドミントンクラブの練習風景(写真提供:東京都オリンピック・パラリンピック準備局)

東京都では今年度4月から、都民がスポーツを実施できる場として、都内の大学・企業等に所有する体育館やテニスコートなどのスポーツ施設を貸し出してもらう「TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業」を開始している。

2012年に文部科学省によって策定された「スポーツ基本計画」では、「成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65パーセント程度)」とすることを目標に掲げている。実際、2015年6月に40.4%(※1)だった「成人の週1回以上のスポーツ実施率」は、2017年11~12月に51.5%(※2)へと増加しており、2年後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、着実にスポーツをする機運は高まっている。
(※1 内閣府「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」、※2 スポーツ庁「スポーツの実施状況等に関する世論調査」より)

だがこうした中で、本大会で使用される予定の一部のスポーツ施設では、老朽化やバリアフリー化への対応等に向けた改修で休館し始めている。都民がスポーツをする目的で利用する施設が不足するのではないかという懸念の声もあがっている。

そこで東京都では、都民のスポーツ環境を維持することを目的に、前出の「TOKYOスポーツ施設サポーターズ事業」を開始した。スポーツ施設を所有している大学や企業等と協定を締結し、大学では授業・部活・サークル活動等で利用しない日、企業では社員の福利厚生等で利用しない日に、都民に有料で貸し出す。

本事業を始めた経緯を東京都オリンピック・パラリンピック準備局スポーツ推進部地域スポーツ振興担当課長の井内雅妃氏はこう話す。

「今まさに東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、都民の皆さまのスポーツへの機運が高まっている時期にもかかわらず、本大会に向けた改修等で一部のスポーツ施設が利用できないという事態が起こっています。せっかくオリンピック・パラリンピックがやってくるという機会ですので、たとえ改修期間中であっても、都民の皆さまの身近にスポーツができる環境を維持できないかと考え、都内の大学・企業等の皆さまにご協力いただくことになりました」

10月26日現在、本事業へと協力している大学・企業等は7つで、首都大学東京・南大沢キャンパス(八王子市)、日野キャンパス(日野市)、荒川キャンパス(荒川区)、東京大学・検見川総合運動場(千葉県千葉市)、日本郵政株式会社・高井戸レクリエーションセンター(杉並区)、東京海上日動火災保険株式会社・多摩テニスコート(八王子市)、東京健保組合大宮運動場・大宮けんぽグラウンド(埼玉県さいたま市)、出版健康保険組合・健康増進センターすこやかプラザ(板橋区)、東京都職員共済組合・清瀬運動場(清瀬市)の9カ所、施設はテニスコート、球技場、野球場、体育館、陸上競技場、フットサルコート、多目的運動場、クロスカントリーコース、弓道場がある。

「例えば、首都大学東京さまの荒川キャンパスにある体育館を利用されている地元のジュニアバドミントンクラブさんがいらっしゃるんですが、もともと練習場所を確保するのに非常に苦労されていた中で、本事業を知ったそうです。日曜日に利用可能で、施設の状態も非常に良く、料金も安いということで、いつもありがたく使わせてもらっていますといった喜びの声も届いています」

こうした施設を利用する側にとってメリットがあるのはもちろんだが、提供している大学・企業等の側にとっても、新たな地域貢献の形となることも期待できるだろう。子どもの頃から地元にある大学や企業に通うことで親しみや愛着が湧いたり、地元住民の新たな交流の場として機能したり、地域に対して開かれた大学・企業等として愛されるきっかけになるなどさまざまな可能性が考えられるだろう。

「現在は7つの大学・企業の皆さまにご協力いただいていますが、すでに色々なお問い合わせをいただいている状況です。今後、より多くの大学・企業の皆さまにご協力いただくことで、さらに多くの都民の皆さまがスポーツを楽しめる環境をつくることができればと考えています」

誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境をつくる。それは必ずしも新しい施設をつくるだけが方法ではない。すでにある施設をいかに活用していくことで、地元の人たちに喜んでもらうか。こうした公民連携の施策にも注目していきたい。


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